パラレルワールド

私たちの世界は「並行宇宙」であり、その人の意識によって「住む世界や環境」が異なる「パラレルワールド」である、と聞いたことがあります。
例えば、ある事件が起きたとして、一方の世界では事件をきっかけに人間関係に変化が起きたり意識が変わり何かを始める、もう一方の世界では事件後も人間関係に変化なく意識も変わらずつつがなく日常を暮らす、いい・悪いではなく、その人の意識により「今、いる世界が決まる、選択される」というものです。

ちなみに、私は読書好きです。特に感情的に入り込みやすい、世界観のしっかりしたものを読んだ時は、これは本当に起きたことではないか?と思ってしまうことがあります。

例えば、「指輪物語」(ロード・オブ・ザ・リング)。「鹿の王」で国際アンデルセン賞を受賞した上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」。
どちらも、物語の背景描写が本当に素晴らしく退屈するほど緻密です。これは、作者の専門性によるところが大きいと思いますが、もしかしたら、作者は私たちが普段見てない、感じていない異世界とつながって、そこから物語を運んできているのではないか、と思ってしまうほどです。

そして、それらの世界観に浸る私は、もしかしたら作者の描く「パラレルワールド」に入り込んで異世界を垣間見ているのかも?なんて。

そうなると、本屋に並んでいる本が「パラレルワールド」の入り口に思えてきて「どの世界を選びますか?」「どの世界を楽しみますか?」と聞かれているような気さえします。

自己啓発本は、作者の「こうしたら幸せに豊かになれる」という思考のパラレル。アポリネールの詩は、過ぎ去った恋の痛みをセーヌ川に溶け込ませて見せてくれる風景画のようなパラレル。

どのパラレルを選ぶかは自分次第。自分がどんな感情を感じたいか、どんな世界観を持ちたいか、どんなことを信じているか、それを教えてくれるのが、私にとっては本なのだな、と感じるようになりました。

読書の秋。
夜更けまで楽しみながら本を読み、自分が本から何を受け取っているのか丁寧に感じながら、感受性を高めていきたと思います。

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